高知・桂浜の高台に建つ坂本龍馬記念館を訪れました。


太平洋を望む断崖という、決して易しいとは言えない立地に建物は主張しすぎることなく、
むしろ地形の延長線上にあるように佇んでいる。
崖の上に置いたのではなく、沿わせた建築は景色を遮らないための配慮であり、
同時に海の水平線と呼応するための設計でもあるそうです。

また私が外観で印象に残ったのは鮮やかなオレンジの壁面と、
空や海を映すブルーグリーンのガラスでした。
オレンジは土佐の大地や人、歴史の温度を感じさせ、
ブルーグリーンは太平洋の海や空の風景と距離を保つための冷静な色です。
暖色と寒色をあえて並べることで、建物は風景に溶け込みながらも確かな輪郭を保つ。
これは住宅設計でもよく使われる考え方で、
目立たせるのではなく「記憶に残る存在感」をつくる配色だと感じました。

その配色を旅の記憶として、指先という小さなスケールに落とし込んだりして、、
日常に持ち帰ることができることも旅のささやかな楽しみでした。
担当:設計